介護現場で円滑なチームワークを成立させるには、報告、連絡、相談がしっかり行われる必要があります。逆に言えば、スタッフ間での報告、連絡、相談がきちんと行えていない介護施設は、チームの連携業務もうまくいっていない可能性があります。相手の要望や相談を聞いたり、仕事に関する情報をスタッフ間で報告しあって共有するコミュニケーションは、チームワークを高めるために欠かせません。利用者の毎日の様子をスタッフ同士で共有しておくと、利用者の小さな変化に気付くことができ、怪我や病気などの問題発生時でもすぐに適切な対応ができることが多いのです。
しかし、日頃からスタッフ間での報告、連絡、相談のコミュニケーションがないと、小さな問題に気付いてもほかのスタッフに相談しづらく、自分でなんとかしてしまおうとか、たいしたことないから黙っておこうと判断してしまう傾向があります。気になることが発生してもなかなか話せない空気は、思わぬ問題に繋がる可能性を秘めています。例えば、これは極端な例ですが、利用者が転倒したのに外傷が見られないから「大きな問題ではない」と考えて報告せず、後から足が腫れてしまった場合、引き継いだ担当者は腫れの原因が分からず、適切な処置や対策を練ることが難しくなります。このような介護施設は、チームワークが取れていないと言えるでしょう。
交代時に「どんなことがあったか?」など、自分のところで情報を止めることはせず、ほかのスタッフに伝えきちんと共有することが、チームワークにおいて重要となります。ささいな情報が重大なアクシデントを防ぐ際に役立つことが多々あるからです。このことから報告、連絡、相談は、介護の仕事をする上でとても大切なことだと言えます。